[Tomoyo-dev 261] Re: TOMOYO Linux 1.4.2 / TOMOYO GUI 1.0.1 公開しました。

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Tetsuo Handa from-****@I-lov*****
2007年 7月 15日 (日) 02:41:22 JST


 熊猫です。


> > > 上で言う「互換性」と「長期的なサポート」の内容がよく見えません。
> > > どこまでの範囲をどのようにサポートしようとしていますか?
> 
> 半田さんは、以下のリプライで長々と書いていますが、上で
> 私が尋ねた内容には答えず、サポートに関する別の問いかけを
> しています。これでは議論が発散します。まず、質問に
> 答えてもらえませんか?
 どこまでの範囲をどのようにサポートするかは私が決定できることではありません。
NTTデータの手によって、あるいはコミュニティの手によって
どこまでサポートしていくべきか目標を議論していく必要があります。
まだ決定していない以上、「ディストリビュータによるサポートが終了するまで」とか
「24時間386日のサポートを行う」とかいった範囲について言及できないので
わざと言及しなかったわけです。

 TOMOYO 1.1 での書き込み権限の細分化、 1.2 での if 節のサポート、
1.3 のドメイン単位の制御モードの切り替え、 1.4 でのポリシーエディタの使い勝手向上という
進化により、業務システムにも導入できる実用的な機能を備えたと考えています。
Wiki に書いてくれた6名のユーザの中には、まだ TOMOYO 1.2 を使っているという方も居ました。
新しいバージョンがリリースされたら旧バージョン用のパッチの更新が放置されてしまう現状は
旧バージョンのユーザにセキュリティホールを放置させてしまうことになっており、
心苦しく思っています。
1.3 以前は無理だとしても、 1.4 以降は長期サポートしていきたいと思うのです。


> 因果関係がよく理解できないのですが、半田さんは、TOMOYO本体のバグ修正や
> 機能拡張にtomoyo-devのメンバーが専念できておらず、その原因が
> NTTデータにあるということを言いたいのですか?
 違います。

 1つは、サポート体制を約束する姿勢をNTTデータが示せていないがために
潜在的な案件をみすみす逃していることが勿体無いと言っているのです。

 もう1つは、案件とは無関係な話です。
TOMOYO 本体のバグ修正や機能拡張に専念できるようになるためには
ディストリビュータカーネルのアップデートに追随するための稼動を減らしたいが、
そのためのノウハウがまだ TOMOYO ユーザに浸透していないと言っているのです。


> 行って欲しいのです。また、Subversionを協同開発に使っていないのは、
> 半田さんなりの理由があると思うのですが、それを説明して
> 欲しいとも思っています。
 ポリシーエディタの色付けのように TOMOYO カーネルの仕様を知らなくても
開発に参加できる部分はありますが、限られてしまいます。

 開発やテストに参加できない原因の大部分は私にあります。
TOMOYO の仕様を理解してからでないと開発の議論やテストに参加できないのに、
私から皆さんへのノウハウの受け渡しがうまく進んでいないのです。
どんどん仕様や使い方についての質問をして欲しいのに、何故か1つも質問が来ません。
全仕様を理解しているのなら良いのですが、質問が来ないのは
「どんな機能がありどのように使うのか判らない」とか
「どこから質問したら良いか判らないほど使い方が判っていない」とかいう
状況になっているからではないかと心配しています。実際、不満や質問があっても
mlには投げずに、先日の YLUG の時のように口頭で質問やアドバイスをしてくれる
協力者が多いと思っています。

 ドキュメントに不足している内容を Wiki に書き足したりしたいので、
ノウハウを受け渡すためにどんどん質問して欲しいのです。
mlに質問内容が残るのが嫌なら個人宛でも構いません。
匿名で質問したければ Wiki や熊猫さくらのブログ宛でも構いません。

 Software Design の連載で TOMOYO の使い方について書いていますが、
ページ数の制約から全機能を紹介することはできていませんし、
ある機能が実装されてから連載という形で共同開発者の手元に届くには
2ヶ月掛かってしまい、その頃には次の機能が実装されてしまいます。
この方法ではいつまで経っても TOMOYO のノウハウを受け渡ししきれません。

 私だけでは TOMOYO Linux のユーザが読んで満足する内容の原稿を書けません。
しかし、出版前の原稿を誰でもレビューできる状態にしてしまうと
出版された本を誰も買わなくなってしまうのでできません。
そのため、社内のメンバーにしか原稿レビューをお願いできないでいます。
ただ、何年も原田さんと仕事してきた経験から
(何日も前に私が原稿案を書けたとしても)設定された締切日の直前まで
原稿レビューに取り掛かれないほど原田さんは業務が多忙であり、
具体的な締切日が設定されていないと何ヶ月でも遅れてしまうのが見えています。
締切日が設定されていることで何とか連載が続いているという状況です。
締切日が無くなったら全くレビューをできなくなるのではと心配です。

 いっそのこと、 Software Design の連載の原稿レビューをするために非公開の Wiki を作り、
Wiki で Software Design の原稿レビューをしていくようにしますか?
それだったら原田さんに原稿チェックのための稼動を掛けさせないで済みます。
執筆者は個人ではなく TOMOYO Linux 開発チームということで。

 TOMOYO プロジェクトで不足しているのは
(1) カーネルの構造やシステムコールの使い方についての知識を持つ人
(2) TOMOYO カーネルとツールのテストケースを作成できる人
です。しかし、 (1) については日本国内には多くはいません。
(2) については TOMOYO の仕様を理解すれば実際にポリシーを定義してみて
期待した通りに動作しているかどうかをテストすることができます。
テスターとして参加していただいているのは嬉しいのですが、
テストケースを作成できるだけの TOMOYO の仕様について理解を共有できていないため、
私だけがテストケースを作っており、仕事を振ることができないでいます。
(テストケースを考えるのは数時間〜数週間、テストをするのは10秒です。)

 決して tomoyo-dev の方たちを責めているわけではありません。
責任の大部分は私がノウハウを皆様に伝承できていないことにあるのです。




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