OpenBSDからフォークしたOS「Bitrig」、初の正式版がリリースされる

 OpenBSDからフォークしたOS「Bitrig」を開発するプロジェクト「Bitrig.org」が、初のリリースとなる「Bitrig 1.0」をリリースした。モダンなアーキテクチャのサポート、新機能の積極的な取り込みを目指しており、1.0ではARMサポートが実現している。

 Bitrigは2012年にOpenBSDからフォークして誕生したプロジェクト。速度と安全性を特徴とするUNIXライクなフリーのOSを目指すという。OpenBSDをフォークした理由として、OpenBSDが高い安全性維持のために保守的であるのに対して、制限を緩めて新しい機能を取り入れたいと説明している。モダンなアーキテクチャのサポートを掲げており、コンパイラはGCCではなくLLVM/Clang(バージョン3.4)をサポートする。軽量で、組み込み端末でも動くという。

 Bitrig 1.0はOpenBSD 5.6をベースとする。コンパイラにLLVM/Clangを使用することで、C/C++コードの高速化を図った。アーキテクチャでは、i386とamd64に加えて、ARMのサポートも実現した。

 デフォルトのファイルシステムはFFS2で、ジャーナリング(WAPBL)機能も持つ。TLS(スレッド・ローカル・ストレージ)のサポート、libstdc++の代替としてのlibc++とlibc++abiのサポート、Wpointer-arith警告の削除などが行われている。mfsの代わりにtmpfsを導入、スナップショットなどの機能も加えた。libcではUUIDとxlocalesのサポートも加わっている。ベースで使われているGNUツールはGNU texinfoのみという。

 現在、ARMマルチプロセッサのサポートに向けた作業を進めており、最新のGNU binutils ldサポートについてはほぼ完了していると報告している。今後、ロードマップに基づき、仮想化(KVM)のサポート、EFIブートの実装などを進めていく計画だ。

 Bitrigは現在アイスランドを拠点としており、今後正式な非営利団体として立ち上げるという。

Bitrig
https://www.bitrig.org/