ニューデリーのFOSSコンファレンスの報告(動画あり)

 インドの首都ニューデリーでは毎年LinuxファンがFOSS(フリー/オープンソースソフトウェア)についての情報を広く伝えるためにコンファレンスを開催する。今年のコンファレンスは「Freed.in」という名前で開催され、講演数も出席者数も過去最高を記録した。このイベントはFOSSコミュニティが実際に会って交流したり、問題を議論したり、解決法をブレーンストーミングしたりする素晴らしい機会だった。しかし、2日間のスケジュールに数多くの講演がぎっしりと詰め込まれていたので、参加者は閉口してしまった。

 みんなで集まることには良い点がたくさんある。まず、イベントの参加費が無料だった――お茶やコーヒーなどの飲み物まで無料でサービスされた――し、昼食も高くなかった。運営者はこのイベントをニューデリーやニューデリー近郊の様々な大学の学生に対して売り込んでいたので、両日ともかなりの出席者があり、2日目正午までの合計で516人の参加があったとのことだ。

 インド全土や海外からも集まった講演者たちが、50以上の講演やワークショップを行なった。セッションは6つのトラックに分けられていた。さらに参加者が参加するセッションを決めるヒントとなるように、講演のスケジュールではセッションが初心者/中級者/上級者の3つのレベルに分けられていた。

 運営者はオープンソース唱道/ガイダンスについての講演のために優れた講演者たちを選んでいた。韓国LDP(Korean Linux Documentation Project)の創設者でありリーダーを務めるShawn Kwon氏は、韓国でFOSS促進を行なう彼自身の経験についてや言語の壁が原因となって若い開発者たちの間でだんだん関心が薄れてきているという問題点について話した。Linux.comのわれらがRobin 'Roblimo' Miller氏は、会社やその他の組織においてFOSSを促進する際にはライセンス上のメリットよりもユーザの幸せを強調することが大切であることを説明した。その他の活動家の講演者も、FOSSツールを使用して予算の少ない新興企業を強化した経験や、組織全体をFOSSに移行した経験などを語った。

 ただ今回のイベントは、今まで私が出席したイベントの中でも最もうまく計画されていたとは言い難かった。最も私が問題に感じたのは並行して6つのトラックがあったということだ。トラックは、講演とワークショップの2つに分けたくらいで良かったのではないかと思う。またコンファレンス自体も3日間か4日間のイベントにした方が望ましいと思った。1日に25個もの講演やワークショップを詰め込んだので、参加者にとっては参加できたものよりも参加できなかった講演の方が多くなってしまった。

 Freed.inが、交通の便が良くて行きやすいジャワハルラール・ネルー大学で開催された点は非常に良かった。しかしFreed.inで使用した部屋やホールは小さ過ぎ、またキャンパス中に分散していた。ホールを担当していたボランティアは、入門的で実践的なセッションでは特に、多くの参加登録を断らざるを得ない状況になってしまっていた。今回のFreed.inのような草の根的なイベントでは、講演者個別の講演数を減らしてパネルの数を多くした方が良かっただろう。

 以上のような細かい問題点はあったものの、Freed.inがインドでも有数のコミュニティイベントとしての評判を確立したことは間違いないと思う。厳しい予算で運営しなければならなかったにも関わらず、運営者は素晴らしい仕事をした。政府、学校、非営利組織、多国籍企業など、FOSSを導入するあらゆる組織を代表する講演者を集めることに成功していた。しかし結果的には(講演者を集めることには成功したものの)1週間分の価値がある講演を2日間に詰め込もうとして、自らの成功の犠牲者にもなってしまったようだ。


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Linux.com 原文