JavaScriptと.Netの開発支援プロジェクトが複数進行中

 現在、JavaScriptを使いやすくしたり、.Netプロジェクトを文書化したりすることを目的とした複数のプロジェクトが進行中だ。また、開発ツールの分野では、米国サン・マイクロシステムズが、C、C++、Fortranを使ったアプリケーション開発を支援する新ツールに関して開発者の意見を募っている。これによって、JavaScriptと.Net関連のアプリケーション開発者に新たな救いの手が差し伸べられることになりそうだ。

 JavaScriptの分野では、オープンソースの「jQuery」プロジェクトが進んでいる。JavaScriptライブラリを開発者に提供し、Webアプリケーションの品質を向上させるのが目的だ。jQueryの作者で主任開発者のジョン・レシグ氏は、「jQueryを使うことで、JavaScriptとAjax(Asynchronous JavaScript+XML)の作成が容易になる。jQueryと他のJavaScriptライブラリの違いは、開発者への実質的な負担が少ないことだ」と強調する。

 また、同氏によると、jQueryを使えば、ブラウザによってJavaScriptに対するサポートのレベルが異なるという問題にも対処することができ、XMLだけではなく、HTMLやJavaScript Object Notation(JSON)など、他のデータ・フォーマットやフレームワークとも連携できるという。

 レシグ氏は、「jQueryは多彩な機能をサポートしている。また、アプリケーションのサイズも15KB程度に抑えることが可能だ」と語っている。

 jQueryバージョン1.0は、MITまたはGPLのいずれかのオープンソース・ライセンスに基づいて入手できる。レシグ氏によると、jQuery(数カ月前からプレリリース版が提供されている)の正確なユーザー数は把握していないが、ホームページの閲覧件数は、毎月およそ300万件に上るという。

 一方、Microsoftは、「Sandcastle」と呼ばれるドキュメント自動生成ツールのCTP版を提供している。Sandcastleを使えば、世界中のディベロッパーが、MSDN(Microsoft Development Network)文書に似た共通のルック&フィールを持つ文書を作成できるようになるという。

 Sandcastleは、同社のソフトウェア開発キット「Visual Studio」に組み込まれており、作成されたコメントの有無にかかわらず機能するほか、Genericsや.Net Framework 2.0をサポートする。主なターゲットはISVだが、企業の開発者も利用できる。

 開発ツールの分野では、米Sun Microsystemsが「Sun Studio Express」プログラムを8月31日から開始した。同プログラムでは、C、C++、Fortranを使用するディベロッパーが次期Sun Studioに搭載される新機能をプレビューできるようになっている。同社によると、SPARC、x64、x86システムとSolarisやLinuxを組み合わせたシステム上で稼働するC、C++、Fortranアプリケーションの開発を支援する「Sun Studio 11」は無償で提供されており、この6カ月間に5万本がダウンロードされたという。

 Expressプログラムでは、2007年に出荷予定の次期Sun Studioの開発情報を毎月受け取ることができる。同社のSun Studio担当製品ライン・マネジャー、トム・グライダー氏によると、これまでの開発作業はデータ・レース・バグへの対応とLinux上でのパフォーマンス強化に重点が置かれていたが、Expressプログラムの提供により、開発者も次期Sun Studioの機能改善に寄与できるようになるという。

提供:Computerworld.jp

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